ハイカーが考える、ロングトレイルの5つの魅力
ニュージーランドを歩いている若色。
12月2日にスタートし、これまで600kmくらい歩きました。
どこが最も辛かったって、最初の1週間です。
最初の90マイルビーチを4日間かけて歩くセクション。
変わらない景色をひたすら歩く。目印は15キロ先にある岩。
砂地を歩き続けるため、足の裏の皮はズル剥け、特大のマメがいくつできたことか。
毎晩寝る前に足にできた水ぶくれをナイフで刺し、水を抜いていました。
それを4日間やり続けました。
しかも4日目は36キロと、距離も長かったため、歩いてる途中「もう歩けない。やってられない」と、重いバックにしがみついて初めて泣きました。
しかしながら泣いたところで、誰も助けてくれるわけではないので、ひとしきり泣いた後「それでも歩く」と歯を食いしばってバックパックを持ち上げたわけです。
その海岸後の山も相当辛かった。
泥。泥。泥。雨。泥。山頂にて1人テント(2泊)。
山頂で水がない。水が尽きる恐怖。
ここを超えてからは、ハプニングはあれど、この辛さに比べれば〜まだいいかなと思うことができています。
こんなつらい思いをしてまでなんで歩くの若色?ということで、本日はハイカー若色が考えるロングトレイルの5つの魅力についてお伝えしたいと思います!
- 誰でもできる
そう。ロングトレイルは、歩くことさえできれば誰でもできます。
もちろん重い荷物をもったり、わたしが今挑戦しているテ・アラロア(=ニュージーランド)では、どこでもキャンプできるわけではないので、次のキャンプサイトやホステルまで歩く必要がありますが、例えばアメリカのPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)では、どこでもテントを張ってOKのようなので、「毎日5キロ歩けばいいや」でもOKです。
実施わたしも、登山は嫌い。走るの苦手。マラソン一生やりたくない。
散歩嫌い。ジョギングしない。冬はお布団とコタツが住処です。
そんなわたしでも歩いてるんです。歩けてるのがロングトレイルです。
その理由を書いていきますね。 - 競争じゃない
これ、若色のすごーーく好きな点です。
わたし達って、何かと小さい頃から競争してきたじゃないですか。
早い方が・多い方が・力のある方が・美しい方が・上手く器用な方が、優れているという競争をずーっとやっているんですよ。
すると、競争する癖が自然と付いてますよね。これは比べ癖とも言いますが。
ロングトレイルにはこれがないんです。
まぁ、基本が”旅”なので比べる必要もないのですが、それでも私たちって比べたがるじゃないですか。
安い金額で・いいホテルに泊まって・何事もスマートにできる旅の方が”優れている”みたいな風潮ありませんか?
でもロングトレイルはそんなことできやせん。
歩いている間はボロボロだし、言うなればメイク用品何も持ってきてないし、服だって毎日同じ服だし、歩いてる途中にあったお店がファストフードだろうがコンビニだろうが、ものすごくありがたいし、道を間違え、物をなくし、電波が通らなく、時には服のまま水の中で浮きます(笑)
水に浮かんだ件については動画ブログでお届けしてますのでこちらをどうぞ
若色のテアラロア 通信②「水に浮いた編」
全然スマートじゃない。もう1歩1歩足を前に出すことで精一杯な時も多々あります。
似たようなもので登山がありますが、これともまた違うかなーとわたしは感じてます。
登山は、趣味の部分もありますが競技化もしてるじゃないですか。
「新たなルートであの山を登るぞ!」とか「富士山を●時間で往復しました!」とか。
ロングトレイルはそうゆうものがないんですよね。
一応道が決められているので、基本そこを歩く。
好きに休む。
たまに違う道を歩く。
山が嫌いならとばす。←若色がよくやっているやつ。
嫌になったら辞める。(山深いところでなければ、いつでも離脱できます)
全てが自由で、そこに競争はないのですよ。
だからみんなとても穏やかです。
休むことを、とばしたことを、咎める人なんていません。
挑戦したことが素晴らしい。
歩こうと思って、時間を確保し、情報を仕入れ、装備を整えて、そのトレイルに立ったことが素晴らしいって、歩いている誰もがわかっているんです。
だからここに競争とか”比べる”要素がないのです。
余談
わたしは前述で、トレイル4日目に辛すぎて泣いたと書きましたが、テ・アラロアのスタート地点”ケープリンガ”に立てた時、感動で涙が出てきたことを思い出しました。
実は、ケープリンガに行く方法として、路線バス等はなく、「高額の観光バスを使う」または「ヒッチハイク」の2択しかなかったんです。
(後にハイカー友達から聞いて、そこまで送ってくれる宿の人がいることを知りましたが)
わたしはそこで人生初のヒッチハイクをしようと思っていたので、それがとてつもなく憂鬱で不安だったんです。「わたし、スタート地点に辿りつけるのかな・・と」
しかしながら、前泊した宿にて同室だった人がケープリンガに行く予定とわかり、連れっててもらえるというミラクルの出会いがあり、すんなり辿り着くことができました。
そのため、スタート地点に立てた時の感動はひとしおだったのです。 - ペースもスタイルも自分で決めて良い
2の続きですが、競争でも強制でもないのでペースもスタイルも自分で決めていいのです。1日おきに休んだっていいし、わたしみたいに登山が苦手なら、山をとばしたって構わない。(なので、わたし今後も「テ・アラロア完歩しました!」と言い切ろうとは思っていません。「まぁ大体は歩いたかな」とは言えるかな)
これまでも、雰囲気が良いキャンプ場で、wi-fiもサクサク、1泊10ドルくらい、そして近くに美味しいベーカリーがある。という理由だけで、レストデイにし、2泊したことがあります。笑
わたしのスタイルは【快適に歩く】なので、1日30キロ以上の設定はあまりしませんし、午後3時には歩くの終わりにしたいですw
歩いた後は、できたらホットシャワー浴びたいので、シャワーのあるところを探す毎日です。 - 歩く以外の自分に、とことん優しく(甘く?)なれる
歩くのはやっぱしんどいんですよ。
足は痛いし、荷物重いし、肩は痛いし。
だから、歩く以外のことについては徹底的に自分を甘やかすことができます。
以下、若色の欲望君がよく言ってくれるセリフをまとめました。
「Youtube?好きなだけ見ればいいがな!
「コーラと、ココアシェイクが飲みたい?どちらもペットボトルで買ったれ!」
「もう眠いから歯磨きしたくない??・・・・うーん、それはしようか」笑 - 弱者になれる
この弱者というのは”交通弱者”です。
日本人の多くは(特に若色が住んでいる地方都市では)大人になったら免許を取得し、車を1人1台もち、日々移動するのが普通です。
車を持つまでの段階は、階段を登っていく作業ですよね。
歩く→自転車に乗る→人によってはバイクに乗る→車に乗る
歩くことを念頭においた旅は、この登ってきた階段を降りるということをしなければなりません。
歩きしか選択肢がないというのは、決定的な交通弱者です。
そして荷物も重いため、1時間に4〜5キロしか進むことができません。
弱者なるとはどういうことでしょう?
子どもの時そうしていたように、周りに助けてもらうことがすごく必要になってきます。
そして不思議なことに、歩くことを決めたハイカーには、子どもの頃そうされていたように、みんなすごく優しく接してくれるんです。
手を触れば振り返してくれて、水は足りてるかい?お茶でもどう?と声をかけてくれます。
交通量の多い道路を歩いている時などは、大丈夫?とわざわざUターンしてきて声をかけてくれる人もいます。
階段を降りるという作業は怖いですよね。
でも、降りてみたら違う景色を見ることができました。
ロングトレイル5つの魅力いかがでしたか?
挑戦したくなったそこのあなた!是非できる範囲からトライしてみてください!
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