今日も世界で迷子。

小心者の冒険者。長年勤めたお仕事を辞め、海外をぐるりとしていました。公務員を辞めて思うことや、旅の記録を綴っています。

北根室RANCH WAY 女1人ロングトレイル記⑥ 佐伯牧場〜からまつの湯

【北根室RANCH WAYの旅】

⑥この旅一番の悲鳴編へ

⑤人生初の混用露天風呂「からまつの湯」編

 

佐伯牧場からの小道は、おとぎ話に迷い込んだかのようだった。

 

不思議の国のアリスに出てきそうな小川

牧場のマンパスを抜け、

牛さんと並走。

 

そう、このトレイルの名前にもなっている

RANCH"牧場"という意味です。

 

その名の通り、北海道の牧場を突っ切るルートがたくさんあります。

 

その牧場のところに必ずあるのが

石灰と、マンパス。

 

石灰は、牛の伝染病「口蹄疫」予防のため、牧場に入る手前には必ず電話ボックスより小ぶりの木造のボックスがあり、そこに入り、靴の裏側を消毒。

 

そして、牛は通らず、マン=人間 が通るための、仕掛けが用意されています。

 

このマンパスは、半人分くらいの細いハシゴを登って、柵を越えたり、英語のPをそのまま扉の形にしてあって、身体をくねらせて抜けたりと様々。

 

これがね、身一つならよいのですが、

バックパックがあると結構通りづらくて(笑)

知恵を絞りながら、どう通ろうか、、うーーーん、と考えてたら、普通に開閉して、「開くんかーい!」と、1人ボケ突っ込みをするポイントでもありました。

 

この日はとてもいい天気。

青空の中、防風林を遠くに眺めて、牧場を牛と並走し、気がつくとあんなに遠くにあった防風林を超えるという感覚は、時間とか距離を超えたものがあった。

 

牧場の中に一度は入ったら、牛さんに変な刺激を与えないために、荷物を下ろすこともできないし、ラジオもかけられない。この時は熊よけの鈴も閉まっておく。という、無心で歩く様が、さながらドラゴンボールの「精神と時の部屋」状態  なので、無心で歩くしかないってね。

 

牛。

速いの。

みんな、ゆるりと動く牛のイメージありません?

 

あいつら、本気出すと全然速く走るの。

 

あんなスピードでタックルされたら、あたしゃやられちゃうよ。と思って、とにかく無で歩き続けた。

 

牧場の中では、囲いのすぐ内側を歩かなきゃならないことが注意書きしてあるので、そこを死守しているのだけど、そこに牛さんがどーんと鎮座していて、「ど、、どいてぇえ……くたさいませんよね。はい、わたしがよけます。失礼いたしました」というやりとりをしながら歩く。

 

こんな牧場をたくさん見てきて、実際に柵の中に入って歩いて、つまりは牛の気分を味わいながら、北海道の牛乳は美味しいわけだと思った。

 

せいぜい座ることしか許されない、超狭いスペースで、なんとも言えない匂いの中に飼われている牛と、こんなにも自由に、たまに走ったりして飼われている牛は、そりゃあ出るお乳の味も違うだろうなぁと思った。

こんな素晴らしい牧場にがっつり浸かって、北海道をまた1つ好きになった。

 

牧場を抜けると、また小川があって大木が日陰を作っていた。

そこの空間が素晴らしくて、休憩。

 

みんな気になるトイレ事情。

 

結論。
大体、ワイルドトイレスタイルになります。(つまりもうその辺スタイル)

最初はね、抵抗ありましたが。。

もう最後はなんとも感じなくなってました(笑)

 

実はこのすぐあと、この旅1番の抵抗感MAXのトイレに出くわすので、乞うご期待。

昨日1日歩き続けた経験を生かし、この日の行動食は、ウエストの位置にある、2つのポケットにいれていた。

1日目はリュックの中にいれていたため、その度に荷物をおろすのがすごくめんどくさいし、体力を消耗していた

 

片方には、甘いエネルギーバー1本。

片方には、しょっぱい系の食べ物を入れたジップロック

 

ジップロックの中には、ミックスナッツ、チーズ、ビーフジャーキーを入れていた。それらをお腹が空く前に食べるようにしていた。

 

正直、エネルギーバーは1本じゃ足りなかった(笑)

大切に、大切に、半分ずつ食べようと思うんだけど、半分食べた数分後に結局1本食べちゃったりしてね。

 

こんな風に山ビギナーのわたしには、この4日間で学習して、実行して、達成する、という、幼少の頃、随分とやっていたプロセスを、再度この歳で体験することができた。

しかも4日間という短いスパンで。

それが楽しかった。

昨日よりもできてることがたくさんあって、できていく事により、昨日よりも楽に物事を進められている。

しかも基本的には自分で考えて、自分で実行していく。

ああ、わたし成長してるーと思うと、生きるって楽しいわぁと思うのよね。

 

さて、そんなこんなでポリポリと、ナッツらをつまみながら歩く。

ここからは道路の脇に設置された道を歩く。

 

この道がね、面白かったの(笑)

道路は大型ダンプがギュンギュン横切るわけ。

私たちはそのほんの2m森側に寄った所にある道を歩くんだけど、

すごいアドベンチャーなの笑

 

いやこれが、車の音もしない山の中とか、川の横とか、森の奥なら、おっしゃー超えたるぜ!!と思うんだけど、すぐそこを車がビュンビュン走ってると、あっち歩けばいいんじゃ?という思いにとらわれる(笑)

 

この道、およそ3mくらいの起伏がいくつもあって、ロープを使って登ったり下ったり登ったり下ったりする、アスレチックロード(笑)

 

その横を70キロくらい出した、ダンプがピューン!

 

この時。

とにかく肩が痛くてね。

まだ山の師匠ヒラさんにバックパックの背負い方を教わる前だったから、結果から言うと、全然ちゃんと背負えていなくて、肩にあたる部分を変えながら、変えながら進んでた。

 

肩が痛いよう

 

と思いながら、とにかくこの道路脇のアドベンチャールートを越えようと一歩一歩と歩いてた。

 

そしたら視界開ける!

駐車場みたいなところに出た!

 

道路の標識を見ると

「養老牛温泉」!

 

もう今日の目的地まであと少しだ!

わーーーーーい!!

 

バックパックを下ろして、ほとんど車はとまっていない駐車場に座り込む。

 

肩が肩が痛いよう。

 

しばらくその場に座り込んで休憩をしたあと、バックパックを背負ってまた歩き出す。

目的地まであと3キロ程度だろうか。

 

バックパックを背負う時は、気合いが必要。

まずエリザベス(=バックパックの名前)におでこをつけて、これから背負います。よろしくね。とあいさつ。そこから左腕を通し、身体を捻りながら一気に右肩まで乗せる。

この時に大抵、背骨やあばらがボキボキと音を鳴らす(笑)

おそらく普段使っていない身体の部位を使っているのだろう。

 

あまりの音に苦笑しながら、エリザベスを背中に収める。

ズッシリとした重さが両肩に乗る。

そこから腰を曲げ、エリザベスを少し上にずらした状態で、ウエストの位置にベルトを回す。

 

その一連の作業を何度やったことだろう。

 

背中の音と一緒に、鋭い痛みが背中や腰にきたら、やーだなーと思いながらも、幸いにして、それはなかったから良かった。

丈夫に産んでくれた親に感謝です。

 

そしてその駐車場の先にあったのが、この旅1番の抵抗感のあったトイレ。

みなさまお待ちしておりました。

 

おそらく、あのオシャレ牧場の佐伯さんの手によるものなのだろう。

アートスペースのようなオシャレな広場があってその中にある簡易トイレ。

 

これがね、、、

洋式だったの。。。

 

音楽フェスとかの臨時的じゃなく、常駐している簡易トイレで、

洋式って、結構辛いよ!笑

 

おそらく外国人ハイカーとかもいるから、この作りになっているのだと思うけど、

ここにお尻を下ろすことが、そーとー辛かった(笑)

 

いや、キレイなんです。

目に見えるような汚れはないんです。

 

でも、抵抗感MAXなんです。

うぉおおおおおと壁に手をつけてお尻を浮かして用を足しました。。。

 

色々無理だった。。

ゼエゼエしながらトイレを出たね(笑)

 

今夜のキャンプ地として目指しているの目的地は、共同温泉「からまつの湯」

 

①から読んでる人は、あれ?養老牛温泉では旅館に泊まるんじゃないの?と思っているかもしれない。

 

本来はその予定だったのだが、今朝出会ったヒラさんから、今夜は からまつの湯のあたりにテントを張る予定と伺っていた。

ヒラさんは車中泊をしながら北海道を旅している登山家で、このトレイルに挑む前に からまつの湯のあたりも下見しているとのこと。

 

ということで、わたしの今夜んも宿泊地もからまつの湯にキャンプを張ろうと予定を変更していた。

 

養老牛温泉は、ほんの数件の旅館があっただけで、あっという間に抜けてしまった。

そこからは、道路を歩いた。

ここだけじゃないけど、こんな道路を歩いている大きな荷物持ちは珍しいのだろう。

トラックの運転手さんからは、それこそ東南アジアのスラム寄りの土地の人々のように、無遠慮な視線を向けてくる(笑)

最後の方は慣れたけどねん。

だから車が来ると、下を向いて、ナンバーだけを見ていた。

わ ナンバー(レンタカー)だと、

旅人よ!仲間よ!と思いながら笑

 

道路を歩きながら地図を見る。

どうやら途中から道路をそれ、山に入るらしい。

 

 

え、マジでここ?

 

おそらく冬はスノーモービルの道になるらしい。

今は結構な藪の道。

 

そして車の進入を防ぐゲートがある。

つまり、今の季節は車が入れないこともあり、結構な藪だ。

 

その隣に、あっちだよ!の北根室ランチウェイの見慣れた標識。

 

あっちとは言われましても、ここ歩くの超怖いんですけど!!

 

ここを入って、あら間違えたと引きあけすのはつらいだから、携帯を起動。位置を確認。方向的にはあっているようだ。

ゲートを潜り抜け、草ボーボーの中、かろうじて見つけた小道を進む。

スノーモービルサイズの道幅の両側は、わたしの胸の位置まで生い茂った笹がギッシリ。

こんなところ、野生動物たんまりおりますでしょ。クマ怖い。。

 

エリザベスについてる鈴をリンリン鳴らしながら進む。

鈴とわたしの足音以外は、風に揺れる葉の音のみ。

 

そうそう、前章で書き漏れてしまっていたが、佐伯牧場に行くまでに、鹿には遭遇していた。

鹿がわたしの前数メートルを横切っていった。

わたしは思ったよりも冷静で、あぁ、鹿がいるんだ。キレイだったな、と思っていた。

 

あとタンチョウも遠ーくから見かけた。

 

タンチョウは白と黒でしょ。

だから、最初は牛だと思ったの笑

 

でもどう頑張っても、遠近法を応用しても、仮に牛を真正面から見てても、あんなスリムになるはずがないと思って、じーっと、じーっと見てたら、あぁあれ牛やない、タンチョウやと気づいた(笑)

 

話は戻って藪の中。

トイレに行きたいけど、こんなところで立ち止まるのは怖い。

地図を見るに、ゴールは目前。

 

抜けた

からまつの湯 到着!!

 

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北海道 道東にある「からまつの湯」

 

車が数台とまっていて、奥に橋。

右手にお風呂。

ちゃんと小屋?になっていて、こちらから入浴している人は見えないつくりになっている。

ヒラさんに気づいてもらいたいから、山を抜けた所の、平らな位置にテントを張ることにする。

 

テントを張り出すと、行き交う人たちからすごい視線を感じる(笑)

うん、こんなところにテント張る人珍しいですよね。

 

でも構ってられない!

もうわたしはここに張るんじゃ!と心を強く持ち、テント設営。

 

設営した後、お風呂をこっそり覗きにいくと、お風呂は2つ。

2つのお風呂は仕切られており、お互いに見えないつくりになっている。

おお、これなら片方空いてたら入れそうじゃないかと思うが、そのタイミングではカップルがいちゃいちゃしてて諦める。

 

まずは食事だと、パスタを茹でる。

今日は楽しみにしてたうにクリームパスタ♪♪あっという間に完食。

 

後片付けをしていると、昨日開陽台で会った男性40代ハイカーが急ぎ足で山を越えてきた。

 

ちょうど山を越えたあたりにテントを張っていたので、お待ちしてましたよー^_^と、座りながら彼をお出迎えする。

 

彼は、まとまった休みが取れなかったのでスルーハイクは最初から諦めており、これから速攻でお風呂に入って、養老牛温泉から出るバスに乗り(13本くらいじゃないかな)今夜中に札幌に戻るとのこと。

 

しかしながら、早足で山を越えてきたのはそれが理由ではなく、この藪の中を歩いていたら、ガサガサ!!と音がしたとのこと!

え!!!!

彼は即座にアウトドア仕様になっている、大きな音がする腕時計のアラームを鳴らした。すると音が止んだので、怖くなって速攻でここまできましたよ、とのこと。

 

マジかよ!

クマー( ˙̫̮ )

 

まあ考えてみれば、川もあるので、クマだって来ますよね。うむ。

 

今夜ここで泊まるのに、クマ怖いんですけど大丈夫ですかねぇ?

と聞くと、ここは車が出入りしてるので大丈夫じゃないですかね?でも夜はラジオをかけていた方がいいかもしれませんね。と言われ。わかりました!かけ続けます!と答える。

 

彼は、その後華麗に温泉に行き、サッパリしましたーとホカホカ顔で帰って行った。

最後に名刺を頂き、少年自然の家的な施設の、職員さんだと知る。

5名以上じゃないと宿泊できないらしいわたしが5人以上のパーティーに、あまり縁はなさそうだが、またいつかー!と別れる。

 

さて話代わってわたし。

お風呂入りたい。入りたい。

とってもお風呂に入りたい。

 

でも、よーし人が少なくなったから今だ!と思っても、必ず誰かいる。

97%でおじさんがいる(笑)

 

日中は暑いのだが、夕方からはそれなりに冷えてくるので、汗は引いてきた。

いつまでたっても人気は引かない。

もうわたしも疲れた。
お風呂はいい!諦める!と思い、テントでゴロゴロしていると、ヒラさん登場。

 

お待ちしておりましたー(1人じゃ心細かったよぅ)と迎える。

 

先ほどのハイカーさんにも言われたが、ヒラさんにも歩くペース早いねーと言われる。

 

そうなのだ。

実は遅いと思っていたわたしのペースだが、思いのほか、早かったようだ。

 

ヒラさんは、わたしのテントの隣にテントを張ってくれる。

ちょう安心。。

 

お風呂には入りましたか?とヒラさんに聞かれ、何度かトライしたんですが、必ず男性が入っていたので、ちょっと諦めようかと思ってるんですと答える。

 

それはもったいない!

山の女なら(山ガールと言わないところが気に入っている)、おっぱいの1つや2つ見られたら、おじさん長生きするわよ!と返してやるくらいの技量がなくちゃ!と言われる。

(この「おじさん長生きするわよ」フレーズはヒラさんのお気に入りのようで、その後何回も言われることになる。笑)

 

そ、そうですよね!

わたし頑張ります!!

 

と素直なわたしはその後何回もトライし、諦める。を繰り返す。

 

しかし、チャンス到来!!

 

様子を何度か見に行った時のこと。

このお風呂は、2つの湯船の間に涼み処のほんの小さな個室があって、お風呂の様子を見に行った時、おじさんがから、お姉ちゃんそこは裸足で歩くところだから、サンダル脱いでねーと声をかけてくる。

 

あぁごめんなさい!とサンダルを脱ぎ、

なかなか入るタイミングがないんですよねぇというと、こちら側のお風呂は女性がいる時はこの仕切りを閉めて、女性専用にすることができるよと教えてくれる。

 

マージかー!!と思ってたら、女性専用にできるよお風呂が無人になる。

 

女性入りますーと言えば大丈夫だと言われ、反対側に向かって、じょ、女性入りまーす!と声を出す。

 

そうすると、さっきまでこのお風呂に入ってた、体格のいいおじさんがわざわざ来る(笑) 

なんで来るねん(笑)と思ってると、「ねーちゃん、お湯が熱かった時はな、、」と教えてくれる。

 

あ、彼は全裸です(笑)

 

うんうん、ありがとう。でもあっち行ってほしいのよ、目のやり場に困るし。

そしてあなたは下腹部と隠す気全くないし(笑)

 

どんなに好奇心が湧いても、視線を下にずらすべからず!ずらしたら負けや!てか、当分の間トラウマや!と思いながら、

視線の下にブラックジャングルを感じながら、ぬるま湯レクチャー終了。

もじゃもじゃおじさん去る。

 

よーし!と思って上着脱いだらつまりブラジャー状態 またおじさん来る(笑)

ねえちゃん、温泉卵やるからよ!と、

 

うん、ありがとう!

(早くあっち行って!!)

 

おじさんを追いやり、扉を締める。

 

すぐ向こうにおじさん群がいると思うと、ハラハラしながらも湯に身体を沈める。

 

ごーーくーーらーーくーー

 

扉の向こうから、ねえちゃん!背中流してやるかい?!と言われ、遠慮しときますーと優雅に返信。

先ほど色々教えてくださった、ジェントルメンおじさまも、ダメですよーと声をかけてくれたので安心する。

 

このお風呂は、掛け流しでお湯がとってもきれい!

多少落ち葉が浮いてたりするけど、へのかっぱさ!

 

シャンプーないし、もし濡らしたら乾く間に冷えてしまいそうなので、髪を洗うことはできなかったけど、かなりポカポカした。

 

あ、こちらのお風呂は無料です。

 

道東に行った際には是非トライしてみてね!

「からまつの湯」ですよ。

 

こうしてわたしの人生初の混浴露天風呂は、優しい人達と、無料のわりに立派な施設のおかげで、色んな物を守れました(笑)

 

守るほどのものじゃないだろういうクレームは一切受け付けません(笑)

 

 

ブログ村での旅ブログ。更新ペースがゆくりだから、なかなか上位は難しいけどマイペース

 

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