今日も世界で迷子。

小心者の冒険者。長年勤めたお仕事を辞め、海外をぐるりとしていました。公務員を辞めて思うことや、旅の記録を綴っています。

北根室RANCH WAY 女1人ロングトレイル記⑤ 開陽台〜佐伯牧場

開陽台キャンプ場に着いたのは14時過ぎ。

この時点で次のキャンプ場まで行くか悩んだ。

距離、おおよそ12キロ。

今からだと、、わたしの足では無理だ。と思い、開陽台にテントを張ることに決める。

 

ロングトレイルに限らず、1人旅は決断の連続だ。

誰にも頼れないから自分で決めて、その決断の責任を自分でとる。

旅に出ると、直感が研ぎ澄まされていくのがよくわかる。

わたしが旅に出る理由の1つにこの感覚を取り戻りたいという気持ちがある。
でも旅のはじめはい毎回ビビる。
慣れるまでには時間かかりますわよ。

 

もう歩く必要もないので、ベンチに座ってボケーっとしてると、元気な男の子がそこらじゅうを走りまわったあげく、”この先急斜面だから危ないよ”の柵を乗り越えようとし、父親らしき人に注意されている。

 

元気な子やなーと思って、目を細めながら眺めていると、父親さんに「旅ですか?」と話しかけられる。

「えぇ、そうなんです。と言っても、たった4日間なのですが、北根室ランチウェイというロングトレイルを歩いてみようと思って」

「おーそうなんだー。バイク、車、自転車で旅する人は見かけましたけど、歩いてる人は初めて見ました!自分達も子どもと2人で日本一周してるんですよ。坂を辛そうに登ってましたよね?」

 

あ!

 

そうなのだ。

坂の途中で、助手席から出た小さな手は、

今そこら中を走り回っているあの子の手だったの!!

 

子どもちゃんに「手を振ってくれたお姉さんだー!」と言われ、ありがとう、あなたのおかげで元気が出て登れたよーと返す。

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開陽台の鐘をつくメー君。歳の数だけ鐘をつくから年齢を言えと言われ、じゃあ24回..と言ったことをお許しください。



 

その父親さんとお互い自己紹介。

わたしとそんなに歳は変わらないアンディさん。(注 日本人)

まあこの名前からもわかるようにまあ面白いお方で(笑)、これから地元で駄菓子屋を始めようと考えており、日本を旅しながら駄菓子屋を訪ね歩いてるという。

 

 
この駄菓子屋が2019月にオープンしました!

全然採算のとれない懐かしの10円ゲームがやたら充実した「駄菓子屋いながき」

埼玉県にありますので、是非行ってみて!

若色ブログを見たよーって世間話してみてね!

わたしも帰国したら訪ねるよ。


詳細こちらどうぞ( 'ω')↓↓ 

inagaki.shopinfo.jp

 

話は戻り、北海道!

アンディさんの息子君、元気いっぱいメー君は来年から小学校にあがってしまうため、今のうちに親子で日本一周をしたいと思い、マイカーで旅をしている最中だと言う。

 

ふえー、面白い方がいるものだと、お互いに質問をし合ったり、メー君と追いかけっこしたり、メー君が突然ゲロを吐いたり(なんで?!笑)、展望台に登ったアンディさんを下からメー君と眺めていたら、突然上半身裸になったり(なんで?!笑後から聞いたら羽アリが服に入り込んでしまったらしいw)と飽きない時間を過ごす。

 

時間はついと過ぎ、気づくと15時を回っていた。

 

 でも気持ちがどこか落ち着かない。

本当にこの歩くペースでゴールにたどり着けるのかも自信がない。

メー君と遊びながらも、アンディさんと話しながらも、最初はどこか気持ちが上の空。

ペースに不安なこともあるけれど、今に集中することができない。

 

普段の生活を考えた。

最近時間が経つのやたら早いと感じたり、なんとなく充実できていない感じがするのは、今に集中できていないこともあるのかな。

 

 

いや待てよ、わたしはこの旅でこんな出会いもしたかったんじゃない?と自問自答。

心ゆくまでその親子と話そうと決め、とことんお話しし、最後は次は酒でも飲みましょう!と別れた。

この約束はその後、実際に果たされることになる‼︎

 

さて、テントを張るかと思ったのだが

キャンプ場、どこ?

 

聞いてみると、なんともない広場を指差され、あそこに張っていいとのこと。

まだ誰もテントを張ってないから気がつかないわけだ。

 

実は開陽台キャンプ場は、この夏(2018年夏)にヒグマが現れたところ。

だからテントが1人だったらやだなーと思っていたのだが仕方ない。

 

テントは練習で1度立てたことがあるだけったこともあり、暗くなる前にテントを張って、ご飯を食べたい。 

テントを張るのも、自分1人のためにご飯を作るのも初だ。

 

まず、テントをこの広い広場のうちどこに張ったらいいのかウロウロしたのち、景色のいいところにしよーと思い、水場に近い隅っこに陣地を確保。テントを張る。

テントはすんなり張ることができた。

 

そうしていると、ハイカーらしき姿の方が!

 

あ、さっき写真を撮ってあげた人だ!

この方が、トレイルで会った初めてのハイカーさん!40代くらいの男性。

 

次のセクションに行こうと思ってのですが、日が落ちてきたので諦めて戻りました!とのことだった。

あー、人がいるなら安心。。。

と、夕飯を作ることにした。

 

夕飯はたらこパスタ。

初めての料理は、慣れてないから、手順が笑っちゃうくらいグダグダw

全部一気に入らないから、半分に折って、タラコソースどこだ

えっと、お皿代わりのカップにあける?

あけて、、ソースかけて、海苔かけて、、

できたーー

 

モグモグ。。

超美味しい。。。

 

あっという間にペロリと食べてしまう。

てか、足りない。

 

行動食にしていたナッツとチーズをつまむ。

 

足りない。 

甘いカフェオレを飲む。

まだ食べられる。。。

 

ロングトレイルは胃がアホになるとは聞いていたが、こーゆーものかと思う。

でも今後の分も、これからどれだけ歩くのかもわからないからこれで落ち着かせる。

このキャンプ場場水場は近いし、下が芝生なのでとても快適だった。

歯を磨きに外に出ると、テントが増えてて、バイカーさんが、なぜか柵の向こう側にいる。

どうやってあちら側に出たんだろうなぁと思ってたら、どうやら柵の向こうには、バイク専用の登り道があるらしい!

そのせいか、バイカーさんのキャンパーさんが朝には増えていた。

 

イカーさんと話していたら、おそらくもう1人くると思いますよ。

途中でおじさんを追い越してきたんですーとのこと。

 

わーい!仲間が増えるのうれしーなー

と思って、歯磨きを終えテントに戻ってゴソゴソしてたら、話し声がする

あ、きっとこの声、さっき話していたハイカーさんだ。。。

 

と思ったら寝てた。

1日目の就寝時間。19時也。

 

しかしながら、テント泊の時は、毎夜22時くらいに目覚め、熊を怖がるという夜を送ってました。

 

次の日タイマーをかけておりましたが、

タイマーよりも早めに起床。4:30くらい。

 

明るくなったら目がさめる。

Thats the nature.

 

起床後、おそるおそるテントからゆっくり頭出す。

五感をフルに使って、危険な気配がないか確認。

音はしないか、匂いはないか。

 

これは後日、山の師匠ヒラさんに教えてもらったのだが、山の中では「耳で見て、目で聞く」。

人間界にいると大方の情報は目から仕入れるが、山では耳からの情報がモノを言う。

 

さて、起きたワタクシ、お腹はペコペコ。

朝食を作る。

 

朝食のセレクトがこの旅の失敗だったー

 

いつもの感じで、軽い朝食を用意していたのだが、全然足りなかった(笑)

 

この日の朝食は、お味噌汁と、エナジーバーと、ナッツくらい。

足りないやー

もし次やるときは、もっとガッツリの朝食を用意しようと思う。

 

天気も良く、日の出を拝むことができた。

ラッキー!

ここからの景色はホント絶景でした!!

 

テントを片付けて出発やーとゴソゴソやってると、やたら写真を撮っているおじさまがいて、話をする。

 

彼は私が寝る間際にキャンプ場に到着した、ベテランの登山家 ヒラさん。

 

ヒラさんとの出会いは大きかった。

 

ヒラさんとは同じ日程で歩いたので、毎回宿泊地が同じで、とても助けてもらえた。

事あるごとにヒラさんは色々教えてくれて、本当に成長できた。

 

バックパックの背負い方とか、

足の指にできた水膨れの対応とか、

めげずに混浴風呂に入っていく根性とか(笑)

 

ヒラさんはこのトレイルでの師でした。

 

トレイルの人達は、ヒラさんに限らず、初心者のわたしにすごく敬意をもって接してくれていた。

 

準備不足だよ

1人で無防でしょ

自分の体力考えた?

 

こんな言葉を浴びせられるんじゃないかと思って、わたしはビクついていた。

でもね、そんなことを言うようなちっちゃい奴は、ここにはいなかた。

トレイルに参加したことに敬意を示し、お互いをリスペクトし合ってた。

 

歯磨きを済ませ、テントを片付ける。

 

幸いにもこの旅ではテントを張る時と片付ける時は雨が降らなかったので、それはかなりありがたかった。

雨が降っていると、テントの設営撤収は超ブルー。

雨がぁテントがぁ濡れるぅ急げぃとね。

テンヤワンヤのすえ、全てがグチャグチャになる。

 

テントの下に敷いてあるグランドシートを引っ張り出して、まずそこにテント内の荷物を全部載せるところから撤収作業は始まる。

グランドシートの上はわたしの私物がずらりと並べてある状態。

結構グシャグシャで、お世辞にもキレイじゃない。汚い部屋を大公開しているようで、ちょっと恥ずかしい笑

 

1人テントは初だけど、フェスとかキャンプでテント泊はよくしていたため、パッキンには慣れていた。

 

テント撤収。

今回購入した1人用テントはNEMO-ニーモ。

設営撤収超簡単。中も快適。そして軽い!という優れものでした。

またこのニーモ君と旅をしたいものだ。

 

テントを片付け、パッキンをしている時ヒラさんがやたら景色の写真を撮っているので、ファーストコンタクトを試みる「撮りましょうか~?」それには大丈夫と言われたものの、女1人はやはり珍しいのだろう。色々と質問をされ、途中からもう1人のハイカーさんも加わり、3人で色々と話す。

 

でもわたしは実はソワソワ。

今日の行程はおおよそ20キロ。

天気がどうなるかもわからないし、実は早く出発したい。

 

8時を回り、そろそろ行きますかーと各自準備を始める。

わたしは自分の歩くペースが遅いと思っていたので、パッキンを済ませ、水を汲み、お先にいきます!と宣言し、スタートし、戻り、2人に道って?と訪ね、あっちだよ!というやりとりの後、開陽台の牧場の脇の小径を降りていく。

結構な坂なので、昨日もし挑んでいたらやっぱり辛かったなぁと思いながら下る。

 

この日は道を間違えることなく、途中なかなかの山道を越えながらひたすら歩く。

沢に降りるところで、この旅初めての熊よけ鐘を発見。

熊も水が飲みたいので、水場には現れがちなのめしょう。

怖いが鐘を突くのは楽しく、ヘイヘイヘーイ!と突いて、また歩く。

 

テコテコ歩いてたら人がいる。

車をみると、北根室ランチウェイの文字が。。。

 

こんにちは~

 

 

まさかの、この北根室ランチウェイの創設者佐伯さんとの出会いを果たす。

 

根室ランチウェイのHPで見た人だ!

 

「今ね、ここに新しい道を作ろうと思って、下草を刈ってるの」

佐伯さん含め4人の方で、新しい道の整備をしているところだった。

 

佐伯さんはわたしの顔を見てすぐに、「初めての人だよね?」と聞かれ、「あっ、はいそうです。」と答える。

 

このやり取りで、北根室ランチウェイはリピーターさんの多い、愛されてる道なんだなぁと思う。

 

1人が珍しいのか、みんなで記念撮影。

水を分けてもらう。

 

みんなとても優しくて、次のポイントの佐伯牧場(この佐伯さんの牧場)までだったら、荷物運んであげるよ?とも言われるが、丁寧にお断りする。

 

確かにきつい。

この日は暑くいし、わたしのバックパックにはまだ食料がたんまり入っているから肩にずっしりと重く、痛みを感じていた。

仕方がないので、肩に当たる部分を変えながらか変えながら歩いていた。

 

でもこの12キロのバックが、今のわたしの生きるための全てで、その全てを、わたしが背負って、2本の足で歩いてる、というシンプルなことが、とても愛おしい行為になっていた。

 

だからどんなに遅くたって、いくら休憩したっていいから、荷物は自分で持っていきたかった。

 

佐伯さんは、子どものような好奇心溢れるキラキラした目をしていてたった数分話しただけなのに、この人ともっと話したい!と思わせる魅力的な方だった。

 

皆様のおかげで、とても快適に歩いています。ありがたいです。とお礼を伝え、握手を交わし、また歩く。

 

ずっとまっすぐの道で、ちょっと飽きてたところだったので、佐伯さんと会ったことにより気分も上がって、気持ちよく歩く。

 

着いたー!佐伯牧場!

9:30くらい。

 

レストランあり

ギャラリースペースあり

屋外にアート作品の展示があり

宿泊スペースありの、牧場のイメージを覆す、とてもオシャレなところだった。

 

宿泊スペースのトイレをお借りしようと思って入ってみる。

わーい!(嬉)水洗だー!洋式だー!

広いー!ウッド調でキレイでオサレ!

 

わたしはトイレは洋式でも和式でもどちらでも良いし。

水洗じゃなくともそんなにストレスの溜まる方ではない。

 

でも、、

 

手を"流水で"洗えないのが結構嫌な人。

 

だから、ここで流水で手を洗えたのがとても嬉しかった。

ありがてぇ、ありがてぇ、と流水を堪能する。

 

佐伯牧場は朝8時に牛乳を無料で分けているよの張り紙や、宿泊スペースを利用した方が残したメッセージボードを眺めると、ロングトレイルの地図を見つける。

昨日中標津空港にて、途中までの地図しか手に入れていなかったので、ここで全てのセクションの地図をゲット。

カラーコピーはしてきていたのだけれど、細かい部分が印不鮮明なところがあったから、手に入れることができてよかった。

 

間伐材で作った可愛らしいキーホルダーがあり、トイレも利用させてもらったから購入しようかな(お金は缶にいれてねスタイル)と思ってお財布をみてすぐに、わたしは極貧と言うことを思い出し、秒で諦める。

 

まだ10時前でレストランも空いていなかったので、外に出て気持ちの良い芝生の上で少しボーッとしてから出発。

 

この佐伯牧場は車でも行けるので、北海道旅行の際は是非訪れてほしい!! 

若色がお世話になりましたと、わたしの代わりにお金を遣ってください。

 

わたしも次はお金もっていきます_:(´`∠):

 

⑥人生初の混用露天風呂「からまつの湯」編へ

 

 

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