旅の正しさを問う。ボラれるのはいけないことか?
よく言われる旅の常識について考えてみよう。
・ディスカウントできたらあなたも一人前!
・現地の料理を食べよう
・食事に当たらないよう、氷にも注意しよう
・タクシーはボラれるからね〜
・現地のバス、鉄道をフルに使って、交通費を安くあげるべし
・旅行の時間をフルに使って、1つでも多くの場所へ行くべし
・スリ、置き引き、ぼったくりには特に注意を etc...
この中で本当に必要なのは、自分の身を守ることだけです。
あとはいいんです、どうでも。
いいじゃない、言い値で買って。多少高くても。
重要なことは欲しいと思ったものを心地よく買うことです。
いいじゃない、ずっとコンビニやホテルのご飯でも。
お腹の弱い人はもちろん注意して。
でもコンビニ飯でもホテルのご飯でも当たる時は当たります。(それは日本でも然り)
旅に限らず自分のことを知ることが必要。
匂いや味で危ないと思ったものは口に運ばない感覚を鍛えることが必要。
仮にタクシーでボラれてもいい思い出になればいいの。
ウン万円ボラれることはそうないから安心してください。
わたしも何度もボラれてるよ(笑)
ああ。またきたか(笑)と思って、気分が良ければ支払うし、なんかイライラしてたらイチャモンつけますw
だってフィリピンなんて、同じフィリピン人でも騙そうとするらしよ!笑
日本人なんてたちうちできないよ!払うしかないよ!笑
スリ、置き引き、ぼったくりは、怪我をしたり旅行中の財産まるごと失う可能性があるから気をつけるべき!
時々、この常識が旅のハードルを上げていると思う。
外国人の旅人を見てると本当に等身大でゆるく旅をしている。
露天で販売している、もう明日には壊れそうでしょ!というサングラスも買うし、
頑張って歩くことなんかしないで、タクシーやGrubをフルに使っている。
やっぱり慣れ親しんだ食事をとりたいのか、マクドナルドとかテキサスチキンに外国人のお客は多いし、観光地でも飽きたらイヤホンつけてYoutubeみてる。
そう、旅は心地よくいるべきだ。
でも、わたしたちはガイドブックや旅番組に紹介されるスマートな旅こそ、正しいと思いがちだ。
大丈夫。あなたはもう普段の生活で十分スマートだ。
日々起きるべき時間に起きて、仕事や学業、家事をこなし、食事をとり、明日のために眠る生活をしていることだろう。
もうそれだけで十分スマート。
旅では非スマートの非現実を味わおう。
非効率的で非能率的な旅をおすすめする。
好きな航空会社のキャッチコピーに「なにもしないをしよう」という言葉が過去にCMで流れていたが、わたしも本当にこれができなかった。
何かしなければ、動かなければ、新しいものを見なければ、
そんな義務感で動く旅のなんと味気ないものか。
旅はwant(〜したい)で動けばいい。
あなたはもう十分duty(義務)で動いている。
でも家から飛びだすことで、仮に自宅ですることと同じことをしても間違いなく新しい感覚を味わえるから、旅に出ることはやはりおすすめしたい。
わたしの映画好きの友達が、1人旅を京都のゲストハウスで過ごし、
「たくさん映画観るんです〜グフフ」と言っているのを聞いた時、彼の自由さに憧れたものだ。
おそらく彼は、京都のゲストハウスで観た映画の思い出は、映画の内容だけではないはずだ。京都という非現実的な空間で観た映画には、ゴアゴアしたシーツの感覚や普段聞いていないイントネーションで話される声がエッセンスとして加わったことだろう。
わたしは今、マレーシアにあるランカウイ島にいる。
このゲストハウスが本当に気持ち良い場所で、わたしはこのゲストハウスをすっかり気に入ってしまった。大きな窓からは海が見え、たくさんあるカラフルなソファーに身を委ねてブログを書き綴っている。
もちろん心地良い理由は場所だけでなく、スタッフや宿泊者の人の良さも影響している。
少し説明しきれない話に飛んで恐縮だが、このゲストハウスを調べた時、ピンときたのだ。少しばかしアクセスも良くないが、あぁ、ここに泊まりたいと思ってしまった。
他のゲストハウス調べてもやはりここが気になる。そうして決めた1泊限りの予定の宿にすでに3泊目。自分の直感が当たるのは嬉しいものだ。
心地よい場所だと何もしなくていい。
ただここにいたいから、過ごしている。
朝起きて朝食を食べダラダラしていると、ご飯いく?と声をかけられ、他の宿泊者と一緒にお昼を食べ、帰ってきたらビールを飲み、またダラダラしている。
もちろんハズレのゲストハウスにもたくさん泊まってきたよ。
廊下で人が通る度に激揺れするベッドとか、エアコンの風独り占めベッドが期待通りの極寒で、夜中に空いているベッドに飛び移ったり、野戦病院の重病患者の病室みたいなところに泊まったりもしたよ。笑
シンガポールで出会ったフランス系カナダ人の女の子の言葉を思い出す。
彼女の足は蚊に刺されまくっており、 脚のあちこちがひどく真っ赤だった。
驚き、心配するわたしに彼女は言った。
「That’s okey.This is part of a journey」
「いいの。これも旅の一部だから」
わたしは今後もきっと旅を続け、泣きたくなる場面にしこたま出くわすだろう。
大きな怪我と病気だけは避けたいところだが、自分の身体が元気で過ごせているうちは、「That’s okey.This is part of a journey」と言いたい。