今日も世界で迷子。

小心者の冒険者。長年勤めたお仕事を辞め、海外をぐるりとしていました。公務員を辞めて思うことや、旅の記録を綴っています。

北根室RANCH WAY 女1人ロングトレイル記②

②怒涛の準備~この旅一番の絶望編

出発2日前〜北海道到着

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人生初のロングトレイル

 

とりあえず大体のものは購入。

でもやはり寒さは大敵ということで実家に戻り冬服を調達したり、ワークマンやら100均やらへ。

 

飛行機は月曜の夕方に空港から新千歳へ向かう便を予約。

 

しかし登山=トレイルあるある。

登山道(今回だとトレイルのスタート口)までの公共交通手段か渋い!!

 

当初予定していた"関越トレイル"でも、スタートはできたても帰る手段がタクシーしかないよ、どうやって帰るんだよ(゚Д゚)と思っていた。

 

でもわたしの情報収集能力を見くびってもらっちゃ困るわ!札幌からのトレイル出発口までいく夜行バスをチェックしてるものね!と、華麗にネット予約をしようとしたら、今回のスタートに設定してた中標津空港に土日祝日は停車しない(通過する)騒ぎ!!!

 

 

ギャーーー!!!! ヘ( ̄ ̄;)ノ ヽ(; ̄ ̄)

 

あまりこちらの土地だとない考え方で、

行き先は観光地だと思うんだけど(観光地じゃないのかな?)

平日がバスの本数や停車場所が充実している反面、日曜祝日はは本当に渋い本数。

 

これでまた前頭葉が痛くなるくらい悩む。

もう色んな手段を考える。ネット検索ネット検索ネット検索ネット検索ネット検索

 

みつけた!!

 

夜行バスで根室まで行き、そこか6時代に中標津空港までのバスが出てる!

 

念のため、朝早いバス出ますよね?!とバス会社に電話確認→ok

札幌→根室駅までの夜行バスにまだ余裕はありますか?とバス会社に予約→ok

 

もう準備万端ヤッホー!

 

そしてパッキン(荷造り)を全然してないけど、つかの間の安堵からか夜さっさと寝て、朝もゆるりと起きる。

 

迎えた出発当日の朝。
パッキンは特に問題なくできる。

い いや入らなかったらどうしようと結構ドキドキしながらだったけど、ふんぎゅーーって詰め込む。

 

ここでアクシデント発生。
携帯充電しようと思ったら、充電器の線が死亡していることに気が付く。

数ヶ月前から少なくとも捻挫はしてるなと、ありえない角度に曲がっていた充電機の線が、骨折まで悪化していてビニテでとめてもどうにもならないオーマイガー。

 

そして更にアクシデント発生。
わたしは熊とワニとサメがとにかく怖いということを突然思い出してしまった。
北海道の山=熊怖い。と父から小型ラジオを急遽借りることになるが、なにせ出発当日。
実家に取りに行く時間がないので、弟に街中まで持ってきてもらい、その後友達の店で予約していた靴のインソールを取りに行って、ヤマダ電機で携帯の線を光の速さで買って、お昼食べる時間ないから、東南アジアの屋台で売ってるような雑なお弁当をしゅぱっと作って、シャワー浴びて、着替えて、車に乗りこむ。

充電器の線は適当に買ったら50センチというすごい短いサイズを買う(涙)

 

なんとか出発。

 

数年前にマイカーで1人で空港を目指した時、猛烈に迷ったんだよなぁと思いながら高速ピューン。

 

念のため保険に入るんだよ!と言われていたので、途中のコンビニで保険に加入。

 

まだフライトまで時間あるからよゆーと思って車を走らせていたら、華麗に空港を通り過ぎていることに気づいて、慌ててUターン!

ねえ!なんで田舎の空港ってあんなに奥ゆかしいかな!

 

よっしゃチェックインだ!と思い、カウンターへいくと、見慣れた注意書きが。。。
おや?わたしの持っているものが、持ち込め、ないぞ?

 

おそるおそるお兄さんに聞くと、

ガスカートリッジNG!(荷物預けもNG)

マッチとライターはどちらか1本まで!(予備のため1つずつ持ってた)

 

うん、わかった。

ガスカートリッジは札幌で購入しようと覚悟を決めて、カートリッジとマッチは車に置き、再度トライ!まあ色々部品あるからね。荷物開封されながらも荷物チェックイン完了。

 

そして飛行機の待ち時間に、持参した東南アジア風お弁当をモグモグし、飛行機に乗り新千歳空港へ。

新千歳から電車の切符を買おうと思ったら結構高い。ふーんと思いながら、普通に自動販売機で現金で購入。

 

ホームに降りていくと激混み!!

え、大きい荷物の扱いに慣れてないわたしは、リアルに線路に落ちるんじゃないかと思うくらい激混み!!

 

駅の放送を聞くと、線路上だか、どこかで火災があり大幅にダイヤが乱れているそうだ。

 

それでもわたしはタイミング良く来た電車に乗り込めた。ラッキー

その電車も元々小樽行きで出発したのに、札幌駅に着く手前で、急遽札幌止まりになります。っていうくらい混乱してた。

 

無事札幌に着けそうなわたしは、ガスカートリッジどこで買おうかなぁドンキホーテならあるだろう。ドンキはおっきーし。と、考え、駅に到着。

10キロ近いバックパックを慣れない姿で持ち、でもそんな自分にちょっとドキドキしながらテクテク歩く。
わたし旅人感でてるかなぁってな感じて、この時はとてもテンションがあがっていた。

結構遠いけど、歩く。

結構狭いけどドンキに入る。

結構中国人観光客さんだらけだけど、かき分けて進む。

 

お兄さんにアウトドア用品の場所聞いて辿り着く。

 

ガスカートリッジ、、ない。。

 

ギャーーー!!!!

 

アウトドア用品にある火種は、、、炭しかない。

 

 

ギャーーー!!!!!!!

 

 

テンパる。わたしのテンパる。

 

色々考える。

まだ札幌発の夜行バスの出発まで時間はある。

これからタクシーに乗ってまだ営業している郊外のアウトドア用品店にいくか。

それとも明日の朝に根室で買うか。

出発地となる中標津空港で買うか。

 

ガスカートリッジは絶対に必需品。

もし入手ができなかったらトレイルは諦めるようだ。

 

予備充電器も1つしか持ち合わせていなかったため、電源を切っていた携帯電話を起動。
「アウトドア用品 札幌」で、検索するも、今は21時過ぎ。やってる店がない。
仮にやっていても、”閉店間近”の文字がきらめく。

 

どうしてドンキに来る前に1本ドンキに電話をして、取り扱ってるかどうかの確認をすることを怠ったのだろうと大後悔。

 

でもバスの出発時間は迫る。

 

よし、もうここは根室に行こう!と決めて、バス乗り場へ。

検索しまくっているから、スマホの充電もどんどん減っていく。

モバイルバッテリーはあれど、この先どこで充電できるのかわからず、トレイル途中での緊急事態に備えて、なるべくなら使いたくない。

 

そんな不安な気持ちを抱きながら、夜行バスの受付へ。

予約してある若菜です。と言って、クレジットカードを差し出す。

カード使えない。 

え、、結構な値段ですよ?

 

でも仕方ないから現金で支払う。

 

 

ここでとてつもなく嫌な予感に気がつく。

 

どうしてか、わたしは現金そんなに持ってきていないことに気がつく。

 

そしてカード類といえばクレジットカード1枚しか持ってきていないことにも気がつく。

 

いつもの旅行の際は、銀行のカードを1枚はもっているのに、最近カード派に移行しつつあるわたしは、全世界でまあまあ使えるVISAカードがあれば大丈夫!!とクレジットカード1枚と、わずかな現金しか持っていなかったのだ。

 

でも大丈夫!さっき寄ったコンビニにATMがあったから、多少の手数料はかかれど、クレジットカードからのキャッシングをしようと思い、北海道にたくさんあるセイコーマートへ。

 

カードをいれる。

暗証番号を入力。

ちょっと多めの金額を入力。

 

カード出てくる。

 

ん?お金は?

 

「取り扱いできません」

 

 

ギャーーー!!!!!!

 

 

そうなのだ。

わたしはカードを作った時に

「キャッシングなんてしないもんね」と、

キャッシングの金額を0にしていた。

 

 

ギャーーー!!!!!!!

 

 

マジで現金ない。

34歳にもなり、社会人15年目くらいになるのに、そこら辺にいる北大生よりお金がない。

ついでにガスカートリッジもない。

 

ここでも色々考えた。

耳から煙がでるくらい考えた。てか、ちょっとオーラを感じる人なら煙が見えてたと思う。

カードを使えないバス会社の錆びれた待合場で、大きな荷物を両手で抱え、しゃがみこみ、バックパック(通称:エリザベス)にブツブツ話しかけた。

 

どうしようどうしようどうしよう。

 

トレイルに行くのやめろって言われてるのかな。

このままトンボ帰りした方がいいのかな。

 

すごく心細かった。

ここがこの旅一番の絶望だった。

 

携帯の充電も無駄にしたくないから、相談することもできない。自分で考えて、決めるしかない。

 

よし!とりあえず根室までいく!

(夜行バスのお金も払っちゃったし)

 

と決めて、

決めたらルーティンをする。

 

空腹だと大体マイナス思考になるから、食欲ないけどさっきコンビニで買ったおにぎりを食べる。

そして歯を磨く。

 

ルーティンをすると落ち着くから、歯磨きが好きなわたしは、トレイル中も朝晩と、毎回しっかり歯磨きをした。

そしてクレジットカードの使えない錆びれたバス会社の待合場での最大の絶望の時、またもや絶望が私を襲う。

 

コンパスが、壊れる。

 

出発時に、借りたコンパス。

地図に合わせながら方向を見る方法を教えてもらったコンパス。

教えてもらった時点で、少し割れてるなぁとは思っていたので出発直前にビニテで補修していた。

その部品がバラバラになって、バックの周りに落ちていた。

 

なんていうか、気分がやられた。

 

コンパスという行き先の指針になるものがこのタイミングで壊れるなんて、行くのやめろって言われてるじゃないかと本当に考えた。結構こーゆーことを気にするタイプ。

このまま行くと事故にあったり、怪我をしたりするんじゃないかと思った。

でも、コンパス部分は生きてるからギリ方角はわかる!!

 

きっと大丈夫!

気にしない!と自分に言い聞かせる。
 

スマホの充電もない。

お金もないから少しの失敗も大きな命取りになる。

 

そんなわたしは普段だと、なかなかしない行動に出る。

とにかく人に聞きまくった。

バスの乗り場(大体わかっていたけど)あっちですよね?

トイレどこですか?

バスの中で携帯の充電はできますか?
※9割のバスはできますが、1割の古いタイプだとできませんという回答。そしてその1割のバスにあたるというツキの持ち主ですよアタシは。

普段だったら携帯で調べてから動くことも、(携帯が使えないので)人に聞きまくった。

結果、とにかく人に話しかけるようになったおかげで大変充実した旅になった。

 

バスに乗ったら、とにかく眠る。

調べても、悩んでも、朝は来るし、朝までは状況は変わらないと思い、とにかく眠った。グッスリ眠った。

 

そして、明日の早朝5時過ぎに根室駅に到着。

 

コンビニもない。

ホテルもない。

てか、人がいない。駅だった。

 

③「1人目のトレイルエンジェルとの出会い~トレイル最大の難所」に続く