今日も世界で迷子。

小心者の冒険者。長年勤めたお仕事を辞め、海外をぐるりとしていました。公務員を辞めて思うことや、旅の記録を綴っています。

公務員時代、わたしを蝕んでいた3つの常識

「蝕む」という言い方が1番しっくりきます。
噛みつかれるわけでも、張り倒されるわけでもなく、
そのことについて考えると、少しづつ少しづつ自分を失っていくようなそんな感覚。
今回は、そのことについて書きたいと思います。

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 わたしを蝕んでいた3つの常識
  1. 年功序列
    若い頃はこれが辛かった。
    特に私は高卒で入ってしまったので、お給料は1番下からのスタート。
    いやいいんです。高卒の娘ができる仕事の量など、たかがしれているので金額に文句を言うつもりは毛頭ありません。

    しかしながら、3年のキャリアをもってしても(若色21歳)、大卒の新規採用(22歳)に一瞬でお給料を抜かれるのは、正直「え?」と思いました。
    あとこれは、全員が悲しい事態なのですが、役所の中に「現業」というポストがあり、これは最近まで小学校の事務の仕事や、給食の調理を配膳していた人が、そのポストが委託(民間会社さんに任せる)によりなくなることで、役所の事務に配置されることがあります。
    昨日まで箒や包丁を持っていた人が、突然パソコンを与えられ、市民からの電話対応を任され、役所の形式に沿った文書を作れなんてできるわけありません。
    50歳をすぎて、突然事務作業をするなんて本人もものすごくつらくて大変な思いをしているのはわかっているんです。
    でも、お給料はわたし(当時20歳くらい)の3倍もらってるんですw
    お一人、忘れられない元学校事務のおばちゃまがいたのですが、その方はボーナスの際に「わ〜★わたし◯◯円(軽くわたしの3倍)もらっちゃった〜♫」と小躍りしているのを見て、わたしは役所の外壁に蹴りを入れました。(壁ごめん)
    こんなことが重なると、自然と頑張る気がなくなってくるんです。

    そして年上に厳しくなります。
    ミスは誰でもするので、ミスに怒る気はないのですが、「あなたのお給料、わたしよりもらってるんだから、当然わたしより仕事してよね」という気持ちになってきます。(特に若い時)
    若色、この気持ちは良くないよーと諌める自分もいたので、つらかったです。
    頑張ったら負けだな〜という気持ちになっていました。
    そして、仕事をしないでお給料をがっぽりもらっていくあの人達は勝ち組だなと、自分とあちらの人達との間に線を引く作業をよくしていました。

  2. 旧姓使用の不可
    若色の勤める地方公共団体は、結婚後の旧制使用が認められていませんでした。若色の結婚願望が今現在とても薄いため、特段不便を感じたことはありませんでしたが、若色は自分の苗字をとても気に入っているため、「わたしが大切にしたいものを、この組織は大切にしてくれないのだなぁ」と思う気持ちは常にありました。
    でもこれって不思議なんですよ。
    法律により、婚姻後は姓をどちらか一方にすることが定められています。
    でも離婚後は、好きに選べるんです
    例:鈴木一郎くんと、山田花子さんが結婚→鈴木一郎・花子夫妻となる。
      鈴木一郎、花子夫妻が離婚→花子さんは、
     山田花子に戻すことも、鈴木花子を通すこともできる。選べます!

    戸籍の問題とか色々絡むので、なんとも言えないのですが、シンプルに「なんで離婚後はいいのに、婚姻の時は選べないのかね?」と疑問。

    国をあげての法的整備は先でも、少なくとも組織の中で通称名で呼び合うことはできるんじゃないかなぁと思うのですが、難しいことなのでしょうかね?
    そんなに問題視してるなら、若色自ら声をあげればよかったじゃん。というお声もあるでしょう。
    確かにね。正論。
    でも、必要以上に悪目立ちしたくなかったんです。これは3に続く。

  3. 目立たない方がいい風潮
    これも日本では当然なのかな。
    若色が趣味でやっていた「フラッシュ・モブ」や「ラジオプロデューサー」「演劇」の活動をする際、意外とドキドキしていました。
    目立つことを良しとしない風潮は元々感じていましたので。
    (もちろん応援してくれる人もたくさんいましたよー)
    当然のごとく、これらの活動に報酬は一切入りませんし、むしろ趣味でしたので身銭を切る場面も多々ありました。
    わたしはこれらの活動を楽しみながらも、目立っちゃいけない。目立っちゃいけない。とずっと思っていました。
    もちろん公務員だったおかげで、頂けたチャンスも多々あります!超あります!
    それはそのとおりです!

    でもちょっとづつ蝕ばまれていたのも事実。
    別に悪いことしているわけじゃないのに、胸を張ることができない。
    「新聞みたよ!」とせっかく声をかけてくれたのに、
    「あぁあ〜そうですね〜なんか本当にいい記事が他になかったんですかねぇ?」と話題をずらすw
    謙虚というより卑屈だよね。

どれも日本にとっての常識(アタリマエ)だとわかっているので、別に我慢できないことではなかったです。
でも感覚が麻痺してくのはわかりました。
たまにふと思い出し→少しだけ憂鬱になるけど→考えないようにして→鈍感になる。
この繰り返しでした。
少しづつくらうローキックやジャブのように、K.Oはされないにしても戦う意欲が下がっていく感覚がありました。
考えない方が楽なんだけど、その方向に賢くはなれなかったな。